『解放区』劇場一般公開解禁決定!!

『解放区』上映委員会
3月11日(月)

2014年に助成金の取り消しを巡り一部ニュース等でも取り上げられた太田信吾監督作品『解放区』。

2014年、大阪での映像制作者の支援と映像文化の発信を目的とするプロジェクト<シネアスト・オーガニゼーション大阪(通称CO2)>で、大阪市からの助成金60万円を得られる助成企画の募集において、助成対象監督となり、大阪アジアン映画祭の上映を目指して制作が開始された太田信吾監督の『解放区』という作品をご存知だろうか?『解放区』は映画完成後、大阪市より内容修正指示を受ける事となり、監督がそれを拒否したことにより大阪アジアン映画祭での上映が中止となった。最終的には助成金の返還を行い、監督による自主上映、いくつかの映画祭への出品にとどまり、鑑賞者からは高い評価を得たものの現在にいたるまで一般公開がされていない<幻の映画>となっていた。

『解放区』が助成金問題に揺れた2014年は当時の大阪市長が推進していた大阪市西成区にある通称、釜ヶ崎(行政名称、あいりん地区)の再開発を目指す西成特区構想が進められていた。彼らが望んでいない釜ヶ崎のリアルな姿を描写した本作が、闇に葬られようとした様に、本日3月11日を最後に人知れず役人はセンターから姿を消し、そして取り壊されようとしている釜ヶ崎の象徴<あいりんセンター>。2020年の東京オリンピック開催、2025年の大阪万博開催で沸く日本列島に『解放区』を通じて、かつては1970年の大阪万博の好景気で賑わいながらも、やがて<ドヤ街>と呼ばれる事になった釜ヶ崎の失われていく姿と、そこに生きる人々の人間らしさを知ってもらう為に、制作から5年の歳月を経て今年、遂に劇場一般公開決定。

友人の自殺を直視したドキュメンタリー『わたしたちに許された特別な時間の終わり』が国内外で反響を呼び、俳優としても活躍する太田信吾が、浄化作戦の進む西成区・釜ヶ崎に漂着する若者を圧倒的なリアリティで描く初の長編劇映画。飛田新地、あいりんセンター、三角公園など、撮影が困難と言われた場所も地元の後押しのもと撮影を敢行。ドキュメンタリーの手法を使い、そこで息づく人々の日常の「生きる姿」が生々しく映し出されている。貧困や病気、犯罪は個人の問題ではなく、社会システムを受容している我々一人ひとりに起因するという監督の強い信念が結実した作品。

2019年劇場公開決定

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作品紹介

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