ヴィクトル・ユーゴーの唯一無二の世界観を映画化『美男ペコパンと悪魔』松田圭太監督オフィシャルインタビューが解禁!

5月27日(土)

ユーゴー原作のアクション/ダーク・ファンタジー映画『美男ペコパンと悪魔』より、松田圭太監督のオフィシャルインタビューが届いた。

『レ・ミゼラブル』、『ノートルダムの鐘』などで知られるフランスの文豪、ヴィクトル・ユーゴーのダーク・ファンタジー小説『美男ペコパンと悪魔』は幻想的かつ冒険的な内容のため「映像化は不可能」と言われ、これほどまでにCG技術が発達した現在においても全世界で一度も映画化されたことは無かった。
この不可能を可能にしたのがCMやテレビ番組のCGを数多く手掛けてきた松田圭太監督をはじめとした日本のCGアーティストたちだ。

婚約者の待つ城へ戻るために、異世界を冒険する主人公のペコパンの前に次々と現れるクリーチャーたち。現代の日本と中世のヨーロッパ大陸がシンクロしながら、倒すか、倒されるか、手に汗握る決死の闘いが最新技術を駆使した驚異のCGにより映像化される。


『美男ペコパンと悪魔』の映画化のオファーが来て、どう取り組みましたか?
ユーゴー原作のファンタジーの世界を、日本の国内で外国人キャストを使うことなく映画化するとのことだったので、観客の方に違和感なく映画を観てもらうためにどうやって成立させようかというところをすごく考えました。

『美男ペコパンと悪魔』が収録されている「ライン河幻想紀行」(1842年発表)であれば、比較的簡単に入手できますが、絵本は廃版です。入手できたんでしょうか?
廃版となっている絵本は製作総指揮である堀江(圭馬)さんからお借りし、入手可能な「ライン河幻想紀行」と「美男と美女の伝説」も手に入れ、翻訳者の違う3冊を読み比べながらイメージを膨らませました。

新たに現代日本のパートを加えた理由をお教えください。
違和感なく中世のヨーロッパの世界に誘導するためには現代パートが必要だと思いました。ペコパンとボールドゥールは10代〜20代だったので、同年代である高校生を登場させ、シンクロするような形で現代パートを考えました。


阿久津仁愛さんと下尾みうさんの一人二役にした理由をお教えください。
本を通して本の世界と現代のふたりの世界がリンクするような形にしたかったので、必然でした。

ボールドゥールは15歳という設定だと聞いたのですが、映画化では年齢は気にしましたか?
ヨーロッパも日本もあのくらいの時代の15歳は家を継いだりだとかする立派な大人だったので、今の下尾さんくらいの年齢で描けると思いました。

阿久津仁愛さんと下尾みうさんはいかがでしたか?
阿久津くんは舞台を中心にやられていて、下尾さんはお芝居がほぼほぼ初めてだったんですが、本読みをやって、舞台とリアル(映画)の距離感の違いを注意をすると、すぐ吸収して表現してくれましたし、撮影現場でも集中力のある二人でした。
阿久津くんには乗馬やスケボーやアクションをやってもらいましたが、身体能力もあってうまかったです。アクション監督も「すごく上手だし頑張る役者さん」とのことで、スタントマンも一応用意していたんですが、ほぼほぼご本人にやってもらいました。集中力があり、殺陣の順番を間違えないので、怪我もなくアクションもできたし、乗馬のシーンもほぼほぼ本人にやってもらえました。CGのキャラクターとのアクションシーンの撮影で、空(から)で芝居をする時も、しっかり受け止める芝居をしてくれるので、CGも載せやすかったです。
下尾さんも見る見るお芝居が良くなっていきました。ちょっとした表情やセリフもゾクッとするような瞬間を見せてくれました。撮影の都合上、感極まって泣くシーンが初日にあるのは大変だったと思いますが、ちょっとずつ本人の中でも感情が作れるようになって、いいシーンになったと思います。


ロケ地についてお教えください。
沼地は、製作総指揮の堀江さんにアート・ビオトープ那須を紹介していただいたところ、迷いの森というイメージにぴったりだったので、使用させていただきました。
ペコパンの森のシーンは、東京ドーム178個分くらいの那須高原の牧場で撮りました。
(カブトムシ人間の)「タレブ」との石切場のシーンは茨城です。城の中は葉山で中世の骨董品を扱っている方が住んでいる洋館をお借りしました。
全て日本なんですけど、どこだかわからないという意味では、制作部や演出部がいい場所を探してくれたと思います。

本作の見どころはどこだと思いますか?
中世のペコパンの世界観というのは見どころの一つだと思います。VFXに関しては、最後に出てくるニムロデという巨人(CGでなくスーツアクター)がいるんですけれど、ニムロデとペコパンとのクライマックスのアクションシーンもありますし、タレブとアイサブという昆虫のキャラクターや、大鹿などの動物のキャラクターもいるので、見ていて楽しめると思います。小さい子供や小学生・中学生にも観て楽しんでもらえたらと思います。

読者にメッセージをお願いします。
映画として見応えがあるように原作からアレンジをしているので、一つの映画の作品として触れてもらいたいと思います。等身大の隼人と亜美のキャラクターはピュアで素敵なので、劇場で確かめていただければと思います。
ロケーションがいいので、景色は大きいスクリーンで観る価値があると思います。アクションシーンもそうですし、特殊メイクなどビジュアルにはすごく力を入れた作品です。音にもこだわった作品なので、ぜひ劇場で観ていただければと思います。


6月2日(金)よりシネ・リーブル池袋、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開

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