「映画館がいっぱいになる方がアカデミー賞よりも重要」『エンドロールのつづき』こがけんxパン・ナリン監督トークショーイベントレポート到着!

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1月23日(月)

チャイ売りの少年が映画と出会い、やがて世界で活躍する映画監督になる―。監督自身の驚くべき物語を映画化した、『エンドロールのつづき』。日本で待望の公開を記念して来日したパン・ナリン監督と、年間100本以上も映画を観るほどの映画好きとして知られる芸人のこがけんによるトークショー付き上映会を1月21日(土)に新宿ピカデリーにて実施!上映前の満員の会場でトークショーが実施された。

観客の顔をみた監督は嬉しそうに、「本当に心から感動します。日本が大好きで数日滞在していますが、毎日感動しています。映画館に行くことが難しくなった時代でもありますが、皆さんは来てくれました。本当にありがとうございます。」と感謝の意を述べた。また、インドの正装でもあるクルターという衣装に身を包んだこがけんが、衣装について「素晴らしい衣装で本当に嬉しいんですけど、インドのホテルのドアマンみたいになってる!そして、こういう人が出る映画ではありません!小道具として渡されたランプ、これも映画に出ません!」と自ら突っ込みを入れ会場に笑いを起こすと、監督は、素晴らしい!と褒めつつ「そのランプを擦ると、スクリーンに素敵な映画が現れます」と、見事な返しでコメント。その内容に「ロマンチックじゃないとこんな映画撮れない!」と、こがけんを唸らせたシーンも。

13年ぶりの来日だという監督に、日本でお薦めしたいところはあるか?とこがけんに聞くと「本作の見どころの一つとして、お母さんがつくる料理がありますが、僕がお勧めするのは下北沢にある「とん水」というご夫婦がやっている定食屋ですね。そこのナスを焼いて七味と醤油をかけたものがとても美味しい!是非行ってみてください」と具体的にお勧めすると、監督もうんうん、と頷きながら聞いていたが「あとは北九州ですね。北九州が映画の撮影に協力的。どこでも爆破シーンを撮っていい。日本で爆破させたかったら北九州に行ってほしいなと思います。」と撮影場所のお勧めには苦笑いをしていた。
話題は映画マニアの監督に移り、どの様な映画をみているかと聞くと「見る立場という意味ではなんでも見ます。日本映画は「たんぽぽ」などみて、出てくる料理を食べてみたいなと思いました」と異文化を映画で学んでいたと回想。すると、こがけんが再度食の話題に戻し「この映画は、いわば“食テロムービー“といってもいいと思います。こんなに美味しそうな料理を綺麗に撮っているというところが素晴らしい!」と褒めちぎると監督は「まさにその通りで、母の手料理というのは本当に美味しかったので表現したいとの思いがありました。キッチンも半分戸外で半分室内でしたので本作でも同じ様に表現しました。日本もイタリアも美味しいものがたくさんありますが、そういう国は文化や映画も素晴らしい。映画と食には何か関係があるんじゃないかと思います。」と持論を展開した。
映画を撮ろうと思ったきっかけは、久しぶりに故郷に帰り、劇中に登場する映写技師ファザルのモデルとなった友人との再会がきっかけだという監督。デジタルの波に飲まれて失職してしまった彼、そして映画監督を志していた子供時代の思い出が合わさり、インドの地方で暮らす無垢な少年の映画を作りたいと思ったという。
そんな監督にこがけんは「映画への愛情の深さにオーマイガー!です。映画好きというよりフェティシズムまでいっちゃっているのがすごい!映画愛と行動力が合わさったときの破壊力。決して裕福な子供時代ではないサマイと、映写技師との話が『ニュー・シネマ・パラダイス』を思い起こさせるんですけど、本作はとってもリアル。ファザルとのやりとりがとっても面白いし、またフィルム映画の幕開けから終焉まで巡っているのがすごい。そして…ラストは鳥肌がたったのでみなさん楽しみにしてください!」と映画愛では負けてられないと、一気に本作の魅力を捲し立て、監督に「素晴らしい。私のエージェントになってください。」と言わせるシーンも。
世界中で観客賞を受賞した本作が米アカデミー賞国際長編映画部門にノミネートも期待されていることについて聞かれると「映画が好きで、観客に観てほしいという思いから映画を作り始めたので、今日のように自分の作品を観たい人で映画館がいっぱいになる方がアカデミー賞よりも重要でうれしいです。そして大好きな日本で公開されたことが賞をいただく以上のもの」とコメント。「常に観客のみなさんに自分の作品を届けたいという思いで映画を作ることからはブレないでいたい」との思いを観客に届けた。
最後に、こがけんは「みなさんが思っているインド映画とは違うかもしれない。でもこれはパン・ナリン監督の映画愛がここまでいくんだ、ということを楽しみにしてほしい映画です。途中で眠ったりしたらオーマイガー!」とサービスたっぷりに伝えると、監督もこがけんに感謝の意をつたえつつ、「これからみなさんには映画を見ていただくわけですが、人に対してやさしい気持ちになり、笑って泣いて、最後にお腹を空かせて帰っていただければと思っています。」と笑顔で締めくくった。映画愛の深い監督に、こがけんも観客もあたたかな気持ちになったトークショー。いよいよ公開された「エンドロールのつづき」を是非お見逃しなく。

絶賛公開中!

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作品紹介

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