『ノースマン 導かれし復讐者』プレミアム試写会に、北欧神話とファンタジーを愛してやまない男、丸屋九兵衛登壇!

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1月12日(木)

『ライトハウス』『ウィッチ』のロバート・エガース監督が手がけた初のアクション大作『ノースマン 導かれし復讐者』のプレミアム試写会イベントが実施され、万物評論家/ファンタジー愛読者の丸屋九兵衛が登壇、ロバート・エガース監督にとって初のアクション大作となる本作を「リアリズムとファンタジーのバランス」という視点から語り尽くした。


ロバート・エガース監督ならではの映像美とその迫力に圧倒される観客を前に、「私は北欧神話とその系譜に連なるヒロイックファンタジーを愛してやまない男です」と北欧神話とファンタジーへの愛を交えた自己紹介から始まる。大学時代から北欧神話とファンタジーに夢中だったという丸屋は「『ロード・オブ・ザ・リング』や『ホビット』などのすべての指輪系・ドラゴン系・角笛系ファンタジー作品は北欧神話の影響下にあるものです」と解説。『ノースマン』に至るまでのヴァイキング映画の系譜作品として、1963年から2012 年まで続いたスウェーデンの児童文学「小さなバイキング ビッケ」を挙げると、「この作品は元々は小説ですが、長い間愛され続け2009年にようやくドイツで実写映画化されました。その映画のシーンのひとつに『ノースマン』とそっくりなシーンがあります」と豆知識を披露すると会場からは驚きの声が漏れた。

続いて本作のアメリカ公開が2022年4月である点に注目し、アーノルド・シュワルツェネッガー主演『コナン・ザ・グレート』がちょうど40年前にアメリカで公開したことを挙げ、「ロバート・エガース監督も意識したと仰ってますが、『ノースマン』には『コナン・ザ・グレート』のオマージュシーンがたくさんあります。例えば、冒頭のナレーションで語りかける部分などは全く一緒なんです」とオマージュシーンを一部紹介した。他にどのようなシーンがあるかは、ぜひ本編で確認してほしい。


さらに本作の注目すべき点として、“バランス”というワードを掲げる。その一つ目の理由として<俳優陣のバランス>を挙げる。「ヴァイキング映画と言えば北欧圏の方々が演じていると思われがちですが、本作の場合は北欧圏の俳優と英語圏の俳優の“バランス”が取れています。主演はスウェーデン出身のアレキサンダー・スカルスガルド、さらにアイスランド出身のビョークも出演しています。その他の主要キャストには、アニャ・テイラー=ジョイやニコール・キッドマン、イーサン・ホークなどの英語圏キャストも複数出演しています。特にアニャとニコールは英語に訛りを入れて上手に演じていますね」とハリウッドで制作されたヴァイキング映画としての俳優陣のバランスを説明。さらに続けて、「英語圏の時代劇で有名なドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」に出演している俳優たちも、北欧圏と英語圏ともにたくさん出ています」と日本でも話題となった海外ドラマを挙げ分かりやすく解説した。


そしてもう一つの“バランス”として<リアリズムとファンタジーのバランス>が非常に良いと話す丸屋は、「ファンタジーの部分は魔術や魔剣などもちろん大いにありますね。北欧神話に登場する神“オーディン”の遣いとされている“フギンとムニン”であろう2羽の烏のおかげで脱出するシーンもファンタジー要素が強いですね。逆にリアルということに関していえば、ヴァイキングといえば角が付いた兜を身に着けているイメージかもしれませんが、実際はつけていないヴァイキングも存在するんですね。本作のヴァイキングはほぼそのような兜はつけていなかったですね。あとはヴァイキングというのは、船に乗ってほかの船を襲う海賊と違って、船で移動して陸地の農村を襲うんです。そういった部分も本作ではリアルに描かれていました」とリアルとファンタジーのバランスを高く評価した。


最後に本作とも親和性の高い<ヴァルハラ>という言葉について「戦死した死者のことを“ヴァル”といいますが、戦死者が募るホールだから“ヴァルハラ”といいます。戦死をするとオーディンの元でいい生活ができると言い伝えられているんです。それが彼らの理想の死後世界であって、ヴァイキングのロジックであり倫理でもあるのだなと感心しました」と感想を語りイベントは幕を閉じた。


1月20日(金)TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国公開!

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