逃げて、逃げて、逃げまくる――。人生を賭けた逃避劇に共感と反感が渦まく《現実逃避型》エンタテインメント『そして僕は途方に暮れる』。公開直前イベントが1月7日都内で行われ、主演の藤ヶ谷太輔、共演の前田敦子、中尾明慶が艶やか和服姿で参加した。

大阪のプロモーションを終えて帰京したばかりの藤ヶ谷。正月の過ごし方を聞かれると「元旦は僕の家に家族や親族が集まって、母が作ったおせち料理などを食べました。友人が遊びに来る年もあったけれど、今ではみんな結婚をしたりして集まる人数も減っています」と苦笑しつつ「母の料理を手伝ったりしながら、のんびりした正月を過ごすことができました」と報告した。
今日が仕事始めという前田は「正月は子供とだらだら寝正月。実家で年越ししておせちを食べて寝て食べて寝て食べて…。だらだらも楽しくなると終わってしまうのが寂しい」と充実した年始を過ごした様子。中尾もこれが仕事始めといい、無精ひげスタイルに「僕だけ成人式みたい!」と照れつつ「正月は妻の実家にお邪魔して魚釣りをしたり、のんびりしていました」と羽を伸ばしたようだった。
バツが悪くなるとすぐに逃げ出してしまうクズ男を演じた藤ヶ谷は「僕も逃げたいと思っても逃げられないことが多かったので、一、二周回って裕一ってカッコいいのかなと思ったりして。僕も今後嫌なことがあったら携帯の電源を切ります」と役柄に理解を示しつつ「裕一を責めるコメントが多いので、自分だけでも味方になってやろうと思う」と愛着あり。携帯電源を切って逃避することについて前田は「私は普段から子供に携帯を取られていることが多いので、実はいい距離を取れている。携帯とはそれくらいの距離感が良いのかも」と持論を述べていた。
一方、中尾は自身の見どころについて「僕が洗濯物を畳むシーンはかなり上手いので見てほしいです。これは舞台の時から三浦監督に褒められましたから。家では家事も結構やっているので、そこは自信を持っています」とアピールしていた。
また、劇中で藤ヶ谷演じる裕一の逃げるポイントについて、「共感する」か「反感を抱く」かの問いに、例えば…「恋人に今後のことを話し合おうと言われたら逃げるか?」に中尾は「そんなことを言われたら終わりだなと思うし、逃げたい。でも逃げない。そこは男のプライドとして覚悟して話を聞く」と言うと、藤ヶ谷も「僕も逃げない」と納得の表情。前田は女性としての意見として「逃げてほしくない!」と断言し「裕一のように言葉にしてくれない人はちょっと難しいかも…。黙ってしまう人は苦手です。今何を思っているのかだけでも教えてほしい。些細なことすら言葉に出来ない相手はどうしていいのかわからないから」と恋愛観を明かしていた。
さらに新春ということで、それぞれが今年の抱負を発表。中尾は「料理」、前田は「充実」、兎年で年男の藤ヶ谷は干支にかけて「映画が跳ねますように!」と祈願。



最後に主演の藤ヶ谷は「僕らだけではなく参加してくれた全員が心血を注いだ作品です。誰しもが一度は現実から逃げたいと思ったことはあると思うので、たくさんの方に刺さる映画だと信じています。何度も楽しんでいただける、共感と反感の120分。長く愛される映画になるはずです」と目前に迫った公開初日に向けて気持ちを新たにしていた。
2023年1月13日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー