外山文治監督最新作『茶飲友達』が、2023年2月に渋谷ユーロスペースほか全国順次公開することが決定。
公開決定に併せ、ティザービジュアルと特報、監督とキャストによるコメントが解禁された。
主⼈公、佐々⽊マナは⾼齢者専⾨のコールガール「茶飲友達(ティー・フレンド)」を設⽴。新聞の三⾏広告に「茶飲友達、募集。」と掲載し、集まってきた男性の元へ⾼齢⼥性を派遣するビジネスを始める。
「ティー・フレンド」に在籍する通称“ティー・ガール”たちの中には、介護⽣活に疲れた⼥性、ギャンブルに依存した⼥性などさまざまな事情を抱える者がいた。 ⼀⽅、マナのもとで「茶飲友達」を運営する若者たちもまた、出⼝の⾒えない社会の中で閉塞感を抱えて⽣きている。 そんなままならぬ若者や⾼齢者を束ねるマナは、彼らを「ファミリー」と呼び、擬似家族のような絆を育んでいくのだが……。
⾼齢者の孤独に寄り添いながら⾃⾝も⼼に寂しさを抱え、ファミリー=“擬似家族”の中に居場所を求める主⼈公・マナを演じるのは、NHK連続テレビ⼩説『純と愛』『わろてんか』や映画『弥⽣、三⽉‒君を愛した30年』、舞台『森 フォレ』、『湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三⼈吉三。』、『陰陽師 ⽣成り姫』、『ロビー・ヒーロー』、『レオポルトシュタット』など幅広く活躍する演技派⼥優、岡本玲。
監督は、⻑編デビュー作『燦燦-さんさん-』がモントリオール世界映画祭2014年に正式招待、2021年公開の『ソワレ』のヒットが記憶に新しい外⼭⽂治。“擬似家族”と化した⾼齢者専⽤売春クラブの姿を通して、現代社会に横たわる閉塞感や、⾼齢者・若者どちらにも共通する「寂しさ」を⼈情味たっぷりに描き出す。
また本作は、ENBUゼミナール「シネマプロジェクト」の記念すべき10作⽬となる作品。本プロジェクトは、社会現象にもなった上⽥慎⼀郎監督『カメラを⽌めるな!』をはじめ、今泉⼒哉監督作『退屈な⽇々にさようならを』、⼆ノ宮隆太郎監督作『お嬢ちゃん』など、ワークショップからキャスティングされた魅⼒的な俳優たちと共に、商業映画とは⼀線を画す刺激的な映画を世に届けてきました。本作のワークショップには応募総数677名の中から選ばれた33名のキャストが参加(その年齢差57歳!)。撮影前に⾏われたクラウドファンディングでは、制作応援サポーター767⼈、⽬標額をはるかに超える800万円超が集まるなど、すでにインディーズ映画ファンの間では注⽬を集めている話題作。

特報では、「孤独を抱えた⾼齢者と若者たちが家族になった」というマナのナレーションをバックに、「茶飲友達」のビジネスを共に企てる若者と⾼齢者の⽇常、そしてファミリーの平穏な⽇々を揺るがす状況に怒りを爆発させるマナの姿が収められている。
■映画『茶飲友達』特報
そして、主演の岡本と外⼭監督からのコメントも到着した。
<映画『茶飲友達』公開決定によせて>
◆岡本玲コメント(主演・マナ役)
ワークショップオーディションから始まりコロナ禍での撮影中⽌を乗り越え、⼤切に育ててきた「茶飲友達」がついに完成しました。
万⼈が納得する正しさを求められる社会で、傷つきながら器⽤に⽣きる現代⼈。
⽬を逸らして投げ捨てられてきた痛みを拾いあげた映画です。
時にぶつかり合いながら、スタッフキャスト、そしてクラウドファンディングに参加してくださった皆様と、みんなで愛を注いだ作品です。
多くの⽅の⽬に留まることを切に願います。
◆外⼭⽂治コメント(本作監督)
いつか⾼齢者が「おじいさん・おばあさん」の役割を脱ぎ捨てた映画を作りたいと願っていました。
私がシニアの光と影や若者の閉塞感を撮り続けてきた中で、もっとも快活で愛おしい映画です。
⽼いも若きも、誰だってひとりは寂しい。それなのに社会が、法律が、同調圧⼒が、⼈々をより孤独に向かわせて⽣きづらい世の中にしていると私は思います。
今こそ「茶飲友達」をお届けしたいです。
2023 年2 ⽉渋⾕ユーロスペースほか全国順次公開