「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2018」開催レポート!

2月6日(水)

映像産業振興機構(VIPO)が企画・実施する「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2018」で製作された短編映画5作品が、一般公開に先駆けて合評上映会でお披露目された。

文化庁内藤審議官の挨拶ではじまり「このプロジェクトは未来を担う若手映画作家を発掘、支援する目的で開かれ、今回が13回目。短編映画制作をプロのもとで学び、慣れない35ミリフィルムで撮影し、実際に短編映画を作る。今回は過去最多の80名から選ばれた5名。この5人の新しい才能をぜひご支援いただきたい」とプロジェクトの概要を説明し、若手監督たちへのエールを送った。いずれも35ミリフィルムで撮影・編集された約30分の短編になる。

『サヨナラ家族』
眞田康平監督は「父が亡くなった実体験を元にしていて、父が亡くなったとき自分の体が半分に分かれてしまったような気がして。でも悲しいのは家族みんな一緒だからそれをそのまま描こうと思いました。それぞれが身内の死を受け入れていくときにどうするのかなということを考え映画にしました」と物語を思いついたきっかけを語り、「暗い話ばっかり撮っていますが、次は長編が撮りたいです」と次回作への意欲を見せた。

『うちうちの面達(つらたち)は。』
山元環監督は「この作品を撮ってコメディって難しいなって教訓を学びました。これまで野外での撮影が多かったのですが、今回は家の中にこだわって撮ったので、お客さんに楽しんで観てもらうにはどうすればいいのかなと考えさせられました」と振り返った。
今後は「観た人に笑ったり感動してもらいたい。観客に伝わる、シンプルに観て良いなと思ってもらえるエンターテイメント作品を撮りたい」と今後の野望を口にした。

『くもり ときどき 晴れ』
板橋基之監督は「家族はどんなかたちでも家族だということを描きました」と語り、「友人が数十年ぶりに父親に会いに行ったらボケていたという話を聞いて、それを元にしました」とこの映画を撮ったきっかけを明かした。「毎年1本はつくると決めていて。今度は長編を撮りたいです。美味しいもののでてくる映画とかいいですね」と次回作への構想も覗かせた。

『はずれ家族のサーヤ』
岡本美樹子監督は「私とこの映画の母親役は同い年で、母にも恋愛したい人がいたり、子供がいても自分のやりたいことがある人で。大事なものがあっても見ない振りをして自分のしたいことを優先してしまうところがあって。そういう人は他にもいるとおもうんですが、第三者の目線で観てほしくてこの映画を撮りました」とこの映画を撮ったきっかけを語り、今後は「人間は追い詰められたらグロイ部分とか出てくるとおもうけれど、人間って愛があって素敵だなと思ってもらえるような作品を撮りたいです」と抱負を語った。

『最後の審判』
川上信也監督は「これまで多くのCMは作ってきたんですけど、CMは基本30秒なので、30分という尺の作品でどうやって観客を飽きさせず、映画に引き込めるようにすればいいのか?っていう点を考えながら作りました」と制作の苦労を語り、「今はネットフリックスや配信などいろいろあるけれど、その中でも“映画”を作っていきたいです」と今後の意気込みを語った。

スーパーバイザーの土川氏は「例年よりもレベルが高かったと感じた。商業映画を作るポテンシャルは持っている」と賛辞を送り、「5作品のうち4作品が家族がテーマだったこと、その他の応募作品も家族がテーマな作品が多かったのも特徴」続け、「皆長編を撮る才能はすでにある。後は覚悟が必要だ」と檄を飛ばした。

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作品紹介

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