姉2人と腹違いの妹が、人類の滅亡を前に ゆっくりと家族になっていくー『とおいらいめい』主演・髙石あかりオフィシャルインタビュー到着!

(C)ルネシネマ
8月7日(日)

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022の国際長編部門に、日本映画では唯一選ばれていた映画『とおいらいめい』より、主演・髙石あかりのインタビューが届いた。


本作は、世紀末(1999年)と彗星の衝突により人類の滅亡が数ヶ月後に迫った現在(2020年)の二つの「世界の終わり」を舞台に髙石あかり、吹越ともみ、田中美晴が、ばらばらだった三姉妹を演じ、ゆっくりと家族になっていく姿を描く。

『とおいらいめい』予告編

東京で半年以上のロングランヒットとなった『ベイビーわるきゅーれ』で初主演し、8月9日から放送のドラマ「生き残った6人によると」にレギュラー出演する髙石は、父の死をきっかけに腹違いの姉2人と初めて共同生活をすることになり、1人で抱え込みながらも、時に10代らしい天真爛漫さも見せる三女・音役を繊細に演じる。


本作出演のきっかけをお教えください。
大橋監督の『かぞくあわせ』という作品の試写会に行かせていただいて、お話しさせていただいたんですが、『とおいらいめい』の制作が決まった時に、大橋監督が私の顔を思い出してくださったそうです。

監督からは撮影前などに何かお話はありましたか?
それまで出演経験があった舞台は本番前に答えを導き出してガッチリ固めていくようにしていたのですが、監督に「自分が思った音だったら、セリフも言葉尻も変えていい」と言われて、その柔らかさにびっくりしました。寄り添ってくれているなと感じたので、撮影時もコミュニケーションがとりやすかったです。

三姉妹役はいかがでしたか?
それまでは感情を発散するような役が多かったので、感情を内に秘めた音を演じられるかどうか不安というかすごく楽しみでした。本作は姉妹の絆がテーマとなっていますが、私がお姉ちゃん役の吹越(ともみ)さんと(田中)美晴さんと一緒の宿に泊まって合宿のような形で撮影すると伺っていたので、打ち解けられるかどうかが不安でした。ただ、撮影前の本読みが楽しくて、その不安も吹き飛んで、「この人たちと家族になりたい。早く岡山に行きたい」と思いました。
(2020年3月頭、8月半ば、12月頭と)一年かけて撮影をしたんですが、最初の冬の時点でお二人を家族だと思っていたので、(残りの撮影が始まるまで)「早く家族に会いたい」と思っていました。


長女・絢音役の吹越ともみさんと、次女・花音役の田中美晴さんと共演していかがでしたか?
お二人ともすごく優しくて、本当の妹のように接してくれて、私も「お姉ちゃん」と呼ばせてもらいました。二人とも役にぴったりで、吹越さんは三人でいる時に芯をまっすぐ落としてくれ、「こっちだよ、こっちだよ」と方向を示してくれるような方でした。逆に美晴さんは三人をうまくまとめてくれるバランサーで、お話ししているとうまくまとめてくれたり、笑って許してくれたりしました。役に近い二人だったので、撮影中と撮影前後とで切り替えがなく音として挑めたのは大きかったです。

撮影でのエピソードはありますか?
こたつのシーンでは3人でこたつで本気で寝たりとか、3人で一緒に残った食べ物を食べたりだとか、撮影で家族として過ごして、宿泊場所に帰ったら、今度はお風呂に入る順番を決めたりと、本当の家族ではないのに家族と思えたような時間はすごいなと思います。
また、瀬戸内海に向かってノリノリで歌を歌っていた時に、美晴さんの撮影だったようで、スタッフさんに「撮影中!」ってめちゃくちゃ怒られたこともありました。(笑)


監督・スタッフのこだわりを感じたことはありますか?
映像美です。すごく簡単に撮っているように見えて、画面を見るとものすごくきれいに映っていて、スタッフさんに恵まれて自分がスクリーンに映っていることが嬉しいなと思いましたし、早くこの岡山と群馬の景色を見てもらいたいと思っていました。音の感情が少しだけ出るシーンとものすごく出るシーンは監督がすごくこだわって撮ってくださいました。

完成した映画をご覧になった感想はいかがでしたか?
「17歳の1年間を全力で費やした作品をやっとスクリーンで見ているぞ」という達成感をすごく感じましたし、髙石あかりという名前が一番最初に出てきた時も不思議な感覚でした。女優としての髙石あかりと人間としての髙石あかりが別にいるような感覚を初めて味わいました。脚本は文字だけなので、映像がつくだけで、感情の見え方が180度変わっていたりしました。スクリーンで見て、「お姉ちゃんとお芝居していた時ああいう表情をしていたけど、それってこういうことがあったからなんだ」と分かったりだとか、自分が演じた音について、「一本線にするとすごく物事に敏感で、すごく優しくて、でもこだわりが強いんだな」というのが客観視できるのがすごく不思議でした。
観終わった時に作品が私に言っているなと思ったのが、「生きる」ということと「生命力」で、これを観た時に「生きよう」と思ったし、自分の好きなこととか大切にしたい人をもっと大事にしていかなくちゃなと再確認しました。

読者にメッセージをお願いします。
音と絢音と花音はすごく感情が敏感で、常に揺れているような儚さがあります。壮大な映像美と合わせて、ぜひ劇場で味わっていただきたいです。


8/27(土)~9/23(金)池袋シネマ・ロサにてレイトショー公開

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作品紹介

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