『ミレニアム』シリーズに出演して以来、『ミレニアム』シリーズ、ガイ・リッチー監督『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(11)、リドリー・スコット監督『プロメテウス』(12)など、様々な作品で唯一無二の存在感を見せ続けるノオミ・ラパス主演最新作『マヤの秘密』。今回、日本公開を直前に控え、ノオミ・ラパスがイギリス・ロンドンでオンラインインタビューに応じ、本作へかける思いや見どころのほか、作品を選ぶ際の基準やコロナ禍での仕事、さらには「日本に恋しちゃっている」という理由や日本のファンへのメッセージなどを大いに語った貴重な特別インタビュー映像が解禁となった。
Photo: Saerun Noren
脚本を読み「これこそ私が探していた映画!」と出演を快諾し、さらに製作総指揮も務めたノオミ・ラパスは、本作について「長期間秘めていたものを自分自身が許す物語。同時に自分自身をそれから解放し、トラウマを乗り越える物語」であると説明。さらに「また、それらの傷が癒えることはあるのか、復讐は解決となるのかを問う物語でもある」と続け「私はこれらに関する心理面のリサーチに膨大な時間をかけた。観客には“復讐こそが解決なのか?”“人間は深い感情的トラウマを癒し、治すことができるのか?”と問いたい」と語り、実際ノオミ自身も本作への参加を決めた時、これらを自分自身に問いかけたことを明かした。
本作のプロデューサーとして配慮したことについては、「リアリティが大事だと思い、初めにたくさんリサーチをした。また大きなトラウマが与える影響について深く描きたかった」としたうえで、「本作では性暴力も描いているので表現するにあたって細心の注意をはらった。撮影方法や暴力に対してアプローチ方法などを考え、必要以上に表現しないように、さらに起きたことを観客が十分に理解できるように描いた」という。
一方、「好きなジャンルはドラマ。ダーク・コメディにも愛着がある」というノオミは、作品選びの基準について「大事なのは監督と脚本、そして共演する役者仲間よ。私が心から挑戦したいと思い、愛せる作品でなければいけない。正直言うとジャンルとかは関係なく、一緒に仕事したいと思う人がいれば、身を投じて一生懸命役をまっとうするだけ!でも可愛らしいロマンスではないわね」と笑顔でコメント。
そんなノオミ・ラパスはコロナ禍においても、仕事の影響は幸運にも少なかったという。「この一年半ほどはノンストップで働いて、中断ということはなかった。ただ移動ができず、撮影セットから息子が待つ自宅に帰れなかった。愛する息子に会えなかった数か月は辛かった」という。ただ「私の周りの人たちはもっと苦しんだと思う。家族を失った人もいる…メンタル面で言うならとても残酷で異様な時を生きていると感じている」と続け、「新型コロナ以前は、多くのことが当たり前のことだと思っていた。今は前よりもありがたみを感じながら生きています…徐々に状況が収束していくことを願っている」と静かに語った。
さらに「『ドライブ・マイ・カー』をものすごく見たい!」と答え、「『千と千尋の神隠し』『となりのトトロ』も好き。日本人は独自の洗練されたスタイルがあると思う。欧米側に届く日本文化は作りが精巧で美しい。私たちの文化とはとても違う…まさに別世界。だから私は日本に恋しちゃっているの」とノオミならではの感性を感じる一幕もあった。
現在、『Lamb(原題)』のプロモーション中のノオミはロンドンの自宅にやっと戻ってきたそう。今後の活動については、このあと公開される作品『Black Crab(原題)』のプロモーション後、数か月ほど休みを取ってから、あるプロジェクトに取り掛かるというノオミ・ラパス。
最後に日本のファンにむけて、「こんにちは。ノオミ・ラパスです。私の出演作『マヤの秘密』が2月18日に公開されます。主人公のマヤは1953年のアメリカに住むロマの出身の女性です。ある日秘めてきた過去が蘇り、困難に立ち向かう。そして危険な方向に物語は進んでいきます」と話し、締めくくりは日本語で「見てね!」と笑顔でメッセージを送った。
■映画『マヤの秘密』インタビュー映像
2月18日、新宿武蔵野館ほか全国順次公開!