喧騒と熱気渦巻くフィリピンのスラムで生きる“困窮邦人”と呼ばれる日本人男性たちを7年間追い続けたドキュメンタリー映画『なれのはて』より、予告編が解禁。併せて、ジャーナリストの丸山ゴンザレスよりコメントも到着した。
解禁した予告編では、その4人の姿を垣間見ることができる。
冒頭では、元暴力団の谷口俊比古さんが、劇中でフィリピンに身を隠すことになった“ある事件”のことを問われると「はっきり言ってそんなのが表沙汰になったら、ヒットマンが飛んでくるよ」と、事件の詳細について口にすることが出来ない理由を語気強く語る。
フィリピン人の妻と子どもと仲睦まじく暮らす元トラック運転手の平山敏春さんは、日本の家族を捨ててフィリピンにやってきた。すでに新しい家庭をフィリピンで築いている平山さんは「日本のことを考えるのはやめようと。考えても仕方がない」と自分自身に言い聞かせるように話す。
暗い牢獄を思わせるコンクリートむき出しの小部屋に住む嶋村正さんは、元警察官。フィリピンで厳しい余生を過ごすことになった嶋村さんに、「不思議な人生ですね」と声をかけると、「戻れるものなら、戻りたいね」とその後悔をにじませる。
元証券マンで、フィリピンにハマり居ついてしまった安岡一生さんは、内縁の妻クリスティと暮らしている。日本にいる息子、娘と連絡はとっていないのかと問われると、「(フィリピンに来てから)話もしたことがないな、全然。別れた女房とも一度も(連絡をとっていない)」と、遠い目をして語る姿が印象的だ。
■『なれのはて』予告編
今回、予告編解禁にあわせ、各国の危険地帯を取材する丸山ゴンザレスさんからコメントが到着。予告編には、その抜粋「自分の”なれのはて”が惨めなのか、幸せなのか、今の日本社会を生きる身として特に思わずにはいられない。」という、日本に生きる我々にとって切実に響くコメントが紹介されている。
------------------------------------------------------------
<丸山ゴンザレス(ジャーナリスト )※コメント全文>
「豊かな青春、惨めな老後」かつてのバックパッカーには有名なこの言葉を思い出した。自分の
なれのはて”が惨めなのか、幸せなのか、これまでの選択と、これからのルートを今の日本社会を生きる身として特に思わずにはいられない。
------------------------------------------------------------
すべてを捨ててフィリピンに来た男たちは、果たして、マニラの路地の奥で何を見たのか。是非、劇場で目撃して欲しい。
2021年12月18日(土)より新宿 K's cinema ほか全国順次公開
フィリピンのスラム街に住む困窮邦人を追ったドキュメンタリー『なれのはて』予告編解禁!ジャーナリスト丸山ゴンザレスよりコメントも到着!
(C) 有象無象プロダクション 公式
11月12日(金)