『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画をつくったら~』や『くれなずめ』と2021年も注目作が続いている松居大悟監督が、主演に池松壮亮と伊藤沙莉を迎えた2022年早春全国公開のオリジナルラブストーリー『ちょっと思い出しただけ』。10月30日(土)より開催される第34回東京国際映画祭ではコンペティション部門に選出されている本作のティザービジュアルが完成した。
怪我でダンサーの道を諦めた照生(てるお)とタクシードライバーの葉(よう)。2人を中心に関わる登場人物たちとの会話を通じて都会の夜に無数に輝く人生たちの機微を繊細かつユーモラスに映し出す。年に一度訪れるある1日を、現代を反映させつつ描いた松居監督独自の物語。
ビジュアル・タイトルロゴのデザインは、『ミッドサマー』、『パターソン』、『デッド・ドント・ダイ』、ジム・ジャームッシュ監督特集上映「JIM JARMUSCH Retrospective 2021」などの作品を手掛けてきたグラフィックデザイナーの大島依提亜が担当。また本作の現場スチール撮影は、昨年までニューヨークを拠点にペインター兼フォトグラファーとして活動していたE-WAXが担当。これまで個展の開催やファッション誌のカメラマンとして活動してきたが、映画スチールの担当は今回が初となる。

スポットライトの照らされたステージは、たった2人だけの世界。その中心で抱き合う2人のまるでダンスを踊っているかのように躍動感と、光と影のコントラストが印象的ビジュアルだが、葉(伊藤沙莉)の表情はどこか切なさを纏い、物思いにふけているよう。照生(池松壮亮)の表情は見えないが葉と同じく哀愁を帯びた表情をしているのでは、はたまた優しく微笑みかけているのか、と想像を掻き立てる。本作は、「別れてしまった男女が、思い出を遡る」というストーリーだが果たして2人はこの瞬間に何を思っているのか。まさに本作を体現するティザービジュアルになった。東京国際映画祭にも出品されるという事で、英題も”Just Remembering”に決定した。
また本日10月21日は電気・照明関連団体から成る「あかりの日」委員会が制定した“あかりの日”。主人公・照生はダンサーの道を諦め、舞台の照明さんとして働く。2人を照らすスポットライトが印象的な“あかりづくし”のティザービジュアルとなった。
恋人と過ごす夜に感じる「世界に今、私たちだけ」というあの感覚。『くれなずめ』で日が暮れていくあの誰もが輝く時間を切り取って描いた松居監督が、今作では誰しも孤独と不安を感じたことのある夜に少しだけ無敵になれる一瞬の永遠を切なく映し出し、やがて夜が明けて再び世界が動き出す直前の澄んだ空気を見事に表現している。
2022年早春公開決定