日本映画界を支える役者がフランス大使館に緊急集結!!『ONODA 一万夜を越えて』公開直前記者発表会レポート到着!

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10月5日(火)

映画『ONODA 一万夜を越えて』(10月8日より全国公開)の公開直前記者発表会が10月5日、フランス大使館公邸で行われ、主演の遠藤雄弥、津田寛治、共演の仲野太賀、松浦祐也、カトウシンスケ、井之脇海、イッセー尾形、そしてフィリップ・セトン駐日フランス大使が出席した。

↑(前段左から)仲野太賀、遠藤雄弥、津田寛治、イッセー尾形(後段左から)カトウシンスケ、井之脇海、松浦祐也

青年期の小野田寛郎を演じた遠藤は、フランス大使館公邸での会見を喜び「久々にキャストの皆さんと再会できたのが嬉しい」と満面の笑み。成年期の小野田寛郎を演じた津田は「世界で描かれるのは悪役の日本兵。日本で描かれるのはテンションの高い大和魂の日本兵。しかし本作ではそのどれにも属さない稀有な存在の日本兵が描かれています。こんな日本兵は見たことがなし、現代の日本を生きる我々のグルーヴ感とシンクロしている。日本の観客の皆さんには、いまだかつてない体験をしてもらえるのではないか」と日本公開にワクワク。アルチュール・アラリ監督の演出については「芝居をしないことを求められ、ジャングルを走るシーンでは実際にジャングルの中を走ってヘトヘトに疲れて演じました」とリアリズム重視だったようで「この作品との出会いは、僕の俳優人生においても芝居を考える上での大きな転機になった。その後の仕事のやり方も大きく変わった。まさに人生の転機になった作品です」と思い入れを口にした。

小野田帰国を成功させた鈴木紀夫役の仲野は「時間を経て小野田さんのことをアルチュール監督が再び発見してくれた。カンボジアで撮影し、フランスに渡り、そして日本に帰ってきた。その一端を担えたことが光栄」としみじみ。小野田と行動を共にする青年期の小塚金七役の松浦は「映画作りはどこの国でも同じ。言語問題も優秀な通訳者のお陰で監督の細かいニュアンスまで伝えてくれて楽しかった」と報告。小野田と行動を共にする島田庄一役のカトウは「撮影では僕たちの人生がぶつかり合い、絡まり合った印象がある。クランクアップを迎えた際は、俳優としてのクライマックスを迎えたというか、自分の人生の集大成だとも思えた。それくらい自分の人生が役に昇華された印象。楽しい映画体験でした」と充実した表情。

小野田と行動を共にする赤津勇一役の井之脇は「監督は役者の体の状態や心の状態を重視するので、よくジャングルを走らされました。『君らの足音が近づいてきたらカメラを回す』と言われたので僕としては2分くらい走るのかな?と思ったら、遠藤さんが10分以上走り続けて…。いつ終わるんだ!?と思った。でもそのシーンは使われませんでした」と苦労を滲ませて笑わせた。

小野田に特殊訓練を施す教官・谷口義美役のイッセーは「映画を見ると、小野田の体験を追体験してしまう。言葉にならない余韻が体や皮膚にいまだ鳴り響く。この中で年長者の私でさえも戦争を知らない世代ですが、想像ができてしまう。ということは誰にだって想像できるということ。今のコロナ禍での時期に公開されることは意義がある」と熱弁した。

またカンボジアでのロケについて遠藤は「カンボジアは凄くいい場所だったけれど、唯一水だけが体に合わず…。もれなく全員で熱を出したり、腹を下したり。満身創痍の中で撮影を進めていました。でもそんな状況が劇中にある、ある種のストイックさとマッチしたと思う」と異国の地ならではのハプニングが功を奏したようだ。

津田は「どうやら松浦君が先頭になって屋台でモノを食べていたらしいです。それでみんなトイレから離れられなくなったり、点滴を受けたりしたそうです」と笑って暴露しつつ、「撮影期間中の僕はナッツしか食べず、滞在先の近くにアスレチック公園があったので、子供たちの列に混じって小野田さんの体格を維持していました」と厳しい減量によって作られた肉体秘話を明かした。一方の遠藤は「カンボジア入りの前に痩せすぎて、撮影地に入った途端に監督から『痩せすぎ!3キロくらい太って』と言われた」と自らのストイックぶりに苦笑いだった。

フランスからメッセージ映像を寄せたアルチュール・アラリ監督は「俳優の皆さんには敬意を送りたいです。皆さんと出会い、作品を作れたことは僕の誇り。これほどの豊かなコラボレーションは二度とできないでしょう。本作は僕たちの汗と涙の結晶です」と力を込めていた。
↑(左から)カトウシンスケ、仲野太賀、遠藤雄弥、津田寛治、イッセー尾形、井之脇海、松浦祐也

最後に遠藤は「毎日がクライマックスのような撮影の日々で、プロフェッショナル達による汗と涙の結晶。それが日本公開されるのは感無量。本編は3時間近くと長尺ですが、鑑賞時の体感時間は早いです。人としての在り方を問われる作品」とアピール。津田も「コロナ禍で自分を見つめる機会も増えたけれど、この作品で描かれていることと今の状況下での感情はリンクしています。今の日本の若い世代がいまだかつてない戦争が題材の映画をどう捉えるか。僕の思いと同じだったら嬉しい」と念願の日本公開に期待を込めていた。

10月8日(金)全国公開

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