イ・ソンミンとユ・ジェミョンが競演する韓国映画『ビースト』の予告編と追加場面写真が解禁し、白石和彌監督のコメントも到着した。
『チェイサー』『新しき世界』など、その容赦なき衝撃作の数々で世界を席巻し続けてきた韓国ノワールから、またひとつ、新たな熱狂を巻き起こす傑作スリラーが誕生した。かつては互いを認め合い、正反対の性格ながらも相棒同士だった二人の刑事。事件解決のためなら手段を選ばないハンスと、冷静沈着なミンテは、警察組織の中で昇進をかけた熾烈な争いを繰り広げながら、韓国中を震撼させた連続猟奇殺人犯を追っていた。だが、二人の執念と野心が激突した時、彼らの“正義”は思いもよらない破滅への引き金となって、自分たちの運命さえも標的にしてしまう…。

ハンスを演じるのは『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』でその年の賞レースを席巻したイ・ソンミン。かつての相棒ミンテには、Netflixドラマ「梨泰院クラス」で熱視線を浴び、“カメレオン俳優”の異名をとるユ・ジェミョン。さらに『名もなき野良犬の輪舞』のチョン・ヘジン、「明日に向かってハイキック」のチェ・ダニエルが集結。監督を務めたのは、東野圭吾原作『さまよう刃』を手掛けた俊英イ・ジョンホ。フレンチ・ノワールの傑作『あるいは裏切りという名の犬』を大胆に換骨奪胎した。


解禁となった予告編は、犯人逮捕のためなら手段を選ばないハンス(イ・ソンミン)が、どれだけ犯人逮捕を重ねてもこの世から犯罪は消えないという絶望感を抱えるシーンから始まる。続いて描写されるのは、干潟で切断された左手を見つけるミンテ(ユ・ジェミョン)。この猟奇的な犯行の操作に行き詰ったミンテは、かつての相棒だったハンスへ協力を仰ぐがあっさり断られてしまう。一方、ハンスは情報屋のチュンベ(チョン・ヘジン)から、彼女の犯罪を見逃すことを条件に、猟奇殺人事件の犯人を教えると持ち掛けられる。結果的にチュンベの共犯になってしまったハンス。彼の捜査方法に危険を感じたミンテは忠告するが、ハンスは歯牙にもかけない。
■『ビースト』予告編
やがて事件の闇の深さに気付いた二人は、捜査を進めるにつれ抜けられない泥沼へとハマっていく…犯人逮捕のために己の信じる正義を貫いてきた二人だが、その正義は彼らを思いもよらぬ方向へ誘っていく。様々な選択肢があった中、運命の歯車はどこで狂ってしまったのだろうか。そして二人が最後に辿り着いた極地とは―!?この続きは是非とも本編をご覧頂きたい。

また、『孤狼の血 LEVEL2』(公開中)、『孤狼の血』(18)、『日本で一番悪い奴ら』(16)などで、極限の人間心理を描き出すことに定評のある白石和彌監督より、「ノワール映画として最高」と絶賛コメントが到着した。
数々の名作を生み出している韓国ノワール映画。本作はまさにその中で極北にして新境地と呼べる傑作に仕上がっている。
【白石和彌監督コメント全文】
正義が歪み、運命も歪み、見ている観客の倫理も歪む。腹の底に溜まる粘りのある感情の出口はなかなか見つからない。それでも、どうしようもなくこの映画に惹かれてしまうのは、ノワール映画として最高だからだ。韓国ノワールはまだまだ突き進む。

予告にあわせ本編より場面写真8点が追加解禁。車中でチュンベに銃口を向けられているハンスの様子や、犯人と思しき大男と対峙する刑事たちの緊迫感溢れる様子が切り取られている。

10月15日(金)より kino cinéma横浜みなとみらい・立川髙島屋S.C.館・天神 ほか全国順次公開