これまで映画化されてこなかった知られざる史実を基に、ホロコーストを生き延びたユダヤ人たちによる驚くべき復讐計画を描く衝撃のサスペンス『復讐者たち』が7/23(金)より全国公開中。ヒトラーを始めナチス・ドイツやホロコーストを題材にした作品は日本でも必ず毎年数本公開され、映画ファンといえどもこの題材の映画は食傷気味の方も少なくないはず。しかし、本作を含めこれからご紹介する3作品は、“今まで描かれることのなかった事実”を基に描かれた作品。“600万人への復讐計画”、“12万人を救った報告書”、“ノルウェー最大の罪”とは⁉まだまだ知らない驚愕の事実をスクリーンで確かめてほしい!
まず1作品目は初めてホロコーストの被害者たちによる大規模な復讐計画を描いた『復讐者たち』(7/23(金)より公開中)。
ホロコーストを生き残ったユダヤ人たちがナチスのみならず、罪なきドイツの一般市民600万人を標的にした無差別復讐計画を描く。戦争犯罪の被害者であるユダヤ人が加害者のナチスに復讐する映画と言えば、クエンティン・タランティーノ監督のバイオレンス・アクション『イングロリアス・バスターズ』が有名だが、本作は本当にあった“目には目を、歯には歯を”の復讐計画に関わった生存者たちへの取材に基づく正真正銘の実話映画だ。

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2作品目は、勇気ある脱走者のレポートが12万人の命を救った実話を映画化した『アウシュヴィッツ・レポート』(7/30(金)より公開中)。
1942年にアウシュヴィッツに強制収容された二人の若いスロバキア系ユダヤ人が、実際に収容所を脱走し、アウシュヴィッツの内情を描いた32ページにも渡るレポートを完成させた。このレポートは「ヴルバ=ヴェツラー・レポート(通称アウシュヴィッツ・レポート)」として連合軍に報告され、12万人以上のハンガリー系ユダヤ人がアウシュヴィッツに強制移送されるのを免れた。監督は「私たちは先人たちの過ちを繰り返してはなりません。だからこそ、これまで犯してしまった失敗の物語を描くことが重要です」とメッセージを寄せる。アカデミー賞®国際長編映画賞・スロバキア代表作品。

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3作品目は、ホロコーストにノルウェー警察・市民らが加担していたノルウェー最大の罪を描く『ホロコーストの罪人』(8/27(金)公開)。
1942年11月、ノルウェー秘密国家警察・クヌート・ロッドの指揮のもと、警官とタクシー運転手らによって、ノルウェーに住むユダヤ人全員がオスロ港へと強制移送された。何も知らずに港に連れてこられた人々の前に待ち構えていたのは、アウシュヴィッツへと向かう船“ドナウ号”だったー。平凡なユダヤ人家族の悲劇的運命を描く物語。
2012年1月、当時のノルウェーの首相は、ホロコーストにノルウェー警察や市民らが関与していたことを認め、政府として初めて公式に謝罪の表明を行った。

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