恋、友情、時代劇、SF…色々なジャンルが詰まった、この夏一番の青春映画『サマーフィルムにのって』制作秘話を語る!

(C) 2021「サマーフィルムにのって」製作委員会
7月26日(月)

伊藤万理華(元乃木坂46)が主演を務める映画『サマーフィルムにのって』。本作は、第33回東京国際映画祭で上映されるやいなや話題を集め、世界各国の映画祭での上映が続々と決定。青春映画には欠かせない恋と友情に加え、時代劇、SF、全ての要素が華麗にシンクロ。物語は奇跡的なラストシーンへと向かい、唯一無二の魅力を放つ。主役には、猫背・がに股を披露し勝新オタクを熱演、殺陣にも挑戦している元乃木坂46の伊藤万理華。共演に金子大地、河合優実、祷キララと、今後の活躍が期待される新星が勢揃いした。監督はドラマやCM、MVなど幅広く手掛ける松本壮史が務め、数々の映像作品を共に作り上げてきた盟友、劇団「ロロ」主宰・三浦直之が脚本を担当。気鋭の若手クリエイターの元に次世代俳優たちが集結し、ここに新時代を代表する青春映画が誕生した。

7/9~8/5に新宿シネマカリテで開催される映画祭「カリテ・ファ ンタスティック!シネマコレクション (R)2021」(略して「カリコレ(R)2021」)にてプレミア作品として本作が上映され、脚本を手掛けた三浦直之が上映後トークイベントに登壇した。


松本監督とはこれまでにも数々のドラマやMVなど映像作品を共に作り上げてきた。今回が松本監督とのタッグで初めての長編映画作品となる。「松本監督が乃木坂46の個人PVを撮っていたのをたまたま見て、すごく印象的で好きな映像だったんです。そのPVの中で使われた音楽を僕が自身の演劇作品で使ったことがきっかけで松本さんが舞台を観に来てくれて、それから意気投合して一緒に作品を作るようになりました。松本さんとは『これ面白いよね』という頭の中のイメージが割と近いんだと思います。MVやショートドラマなどを作っていき、僕自身松本さんの作るものが本当に好きなので、早く松本さんの長編映画が観たいなと思い、今回こういう形で完成されました。すごく感慨深いものがあります」と松本監督との作品作りの経緯と、二人の相性の良さを明かした。

本作の脚本を書くうえで、『時をかける少女』『君の名は。』『ウォーターボーイズ』など過去の名作青春映画を参考にしたという。「僕が脚本を作るときによくやるのが、いろんなジャンルのフォーマットを分析していくことです。骨組をまず作って、それを少しずつズラしたりしていくのが僕の脚本の作り方なんですが、今回は王道の青春映画のプロットを一度参照しようということになり、その中でも特に分析したのが『ウォーターボーイズ』でした。全員が仲良くなったと思ったら仲違いしてバラバラになってしまうけど最終的には全員がまた集まって大団円みたいなことが青春映画の構造ですが、『ウォーターボーイズ』はバラバラになるのが中盤とか結構早めなんです。そこから全員が集まってからは、あとはただただ上がり続けるだけ。その気持ち良さは『サマーフィルムにのって』でも大事にしたいなと思いました」と、過去作品を分析したことを振り返った。

また、青春映画にも様々なジャンルがある。本作は、恋と友情に加え、時代劇にSFとあらゆる要素が詰め込まれた作品だ。「どういうジャンルを作るのが面白いかなと思ったときに、色々なジャンルを考えました。映画を撮るという行為は何かを記録するということ。そして映画を観るという行為も観客が過去の記録を観るということ。それと「限られた中での青春」という要素を重ねたときに、過去を象徴するものとして時代劇を選んだんです。さらに未来人からみたら「現在」は過去な訳だから、僕たちが昔のものを見るのと、未来人が「現在」のものを見るという視点を重ねていく構成は面白いんじゃないかと思いました」とジャンルの構築について説明。

役者に演じてもらうのを一番期待していたシーンについて聞かれると、「ラストシーンです。ラストはリアリティラインも少し飛び越えていきます。あのラストシーンを成立させるのは、僕ではなくて監督・スタッフ・キャストの皆さんの力なので、そこが書き上げたときには楽しみでもあり、実際にどう仕上がるのか不安な部分でもありました。完成したものをみたときに、本当に素晴らしくて感動しました」と即答。さらにお気に入りのシーンについて「夜の体育館でハダシが『何で映画が好きなのか』を語るシーン」を挙げる。「あのシーンのハダシの台詞は決定稿の直前くらいの追加したんです。説明的になったら嫌だなと思っていたんですが、伊藤万理華さんがすごく説得力を持たせてくれました。ロケーションは台本の段階だと夜の学校の屋上だったのですが、天候の都合で体育館に変更になったんです。演劇でも常に面白いと感じていることですが、偶然に場所が変わってそれが物語に力を与えるんです。自分の胸の内を吐露するのに、屋上だと解放感がありすぎてしまう。体育館のように少し閉塞感のある中で集まって語るからこそ、あのシーンを生むことができたのだと思います」とイチオシシーンを披露。「映画ってそういう風に現場での予定通りいかないことに対してどう対応していくかの繰り返しだと思います。その偶然がよく表れているシーンだと思いますので、ぜひ観ていただきたいです」と映画だからこその魅力について思いを述べた。

8月6日(金)より、新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開

ShareSNSでシェアしよう!

作品紹介

TOP