『ひとくず』で話題の上西雄大監督最新作『ねばぎば 新世界』。本作の公開を前に、主演を務めた赤井英和のオフィシャルインタビューが届いた。
本作は大阪・新世界を舞台に、かつての大映映画、勝新太郎・田宮二郎の「悪名」シリーズを彷彿とさせる痛快アクションドラマ。新世界・西成に棲む人間味溢れる個性と、今も残る浪速の人情を織り交ぜ、社会の明と暗、善と悪、表と裏の世界観の中、展開する。主演は「どついたるねん」の赤井英和と、上西雄大のW主演。その他、小沢仁志、西岡德馬、有森也実、菅田俊、田中要次、堀田眞三、徳竹未夏、古川藍、神戸浩、坂田聡など豪華キャストが集結。本作は、2020年ニース国際映画祭で外国語部門最優秀作品賞(グランプリ)と最優秀脚本賞(上西雄大)、2021年WICA(ワールド・インディペンデント・シネマ・アワード)で外国映画部門 最優主演男優賞(赤井英和・上西雄大)を受賞した。
■『ねばぎば 新世界』予告編
Q.本作の出演を決めた理由を教えて下さい。
私が子供の時から見ていた、勝新太郎・田宮二郎のコンビがたった二人で街の中の悪を成敗していく『悪名』のように、二人で悪を潰していくという正義感があって、気持ちがワクワクするような作品なので、ぜひやってみたいなと思いました。
Q.W主演の赤井さんと上西雄大さんは、ワールド・インディペンデント・ シネマ・アワードで外国映画部門 最優主演男優賞を受賞しましたが、受賞した感想はいかがですか?
この映画は、昭和の匂いのするような映画になっているにもかかわらず、海外の方にもご覧頂け、評価されるというのは、人の気持ちが揺れるのは、日本も外国も一緒やねんなと思いました。
Q.勝吉役は、元ボクサーという共通点もありましたが、演じて難しい部分はありましたか?
普段はすこぶるセリフ覚えの悪い私なんですけれど、監督の脚本のうまさと言いますか、勝吉というのが自分に入って演じることができたからか、口から気持ちが出ていて、”セリフ”でなく”気持ち”が伝えられる作品になったと思います。中でも、焼肉屋で上西監督演じるコオロギに「お前はほんまに弟やと思ってる」と言うセリフは、私が言うているんやけれどもジーンとくるシーンになったと思います。そういう気持ちが伝わるような映画になったと思います。
Q.有森也実さんは、クライマックスでの演技が素晴らしかったですが、共演していかがでしたか?
勝吉が原因の、西岡德馬さん演じるお父さんとの悲しい思い出については、宗教にはまってしまったのも仕方がないと思わせる演技でした。
Q.西岡德馬さんも、セリフは少ないながらも説得力のある存在感でしたが、現場ではいかがでしたか?
いらっしゃるだけで、チャンプの西岡さんがいたから今の俺があるんだなという感じを醸し出してくださる俳優さんでした。
Q.菅田俊さんの白衣のままスクーターでやってくる姿が面白かったがですが、撮影のエピソードはありますか?
医者の先生としては珍しいキャラクターを醸し出してくださり、素晴らしかったです。
Q.田中要次さんとはガラス越しの芝居となりましたが、いかがでしたか?
田中要次さんの目の奥に光る不思議な光に、霊能力者的なものを持っていらっしゃるんではないかと思わせるような芝居の奥深さを感じました。
Q.読者にメッセージをお願いします。
今はスマホやDVDやテレビで映画を見たりする時代ですが、この『ねばぎば 新世界』こそ、映画館のスクリーンで見て頂きたい作品です。ぜひ公開したら劇場に足を運んで頂ければと思います。

7月10日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開