日向史有監督ドキュメンタリー映画『東京クルド』緊急公開決定!

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6月1日(火)

日本で生きるふたりのクルド人青年を5年以上取材した日向史有監督のドキュメンタリー映画『東京クルド』が、7月10日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラム、大阪・第七藝術劇場にて緊急劇場公開することが決定!

5月、入管の収容者に対する非人道的な行為や環境を問題視する世論の高まりを背景に、入管法改正案は事実上、廃案となった。しかし「難民条約」を批准しながら難民認定率が1%にも満たないという日本の現状に変わりはない。
故郷での迫害を逃れ、小学生のころに日本へやってきたオザン(18歳)とラマザン(19歳)は、難民申請を続けるトルコ国籍のクルド人。入管の収容を一旦解除される「仮放免許可書」を持つものの、身分は“不法滞在者”だ。いつ収容されるか分からない不安を常に感じながら夢を抱き、将来を思い描く。しかし、住民票もなく、自由に移動することも、働くこともできない。また社会の無理解によって教育の機会からも遠ざけられている。東京入管で事件が起きた。長期収容されていたラマザンの叔父メメット(38歳)が極度の体調不良を訴えたが、入管は家族らが呼んだ救急車を2度にわたり拒否。彼が病院に搬送されたのは30時間後のことだった。在留資格を求める声に、ある入管職員が嘲笑混じりに吐き捨てた。「帰ればいいんだよ。他の国行ってよ」。
5年以上の取材を経て描かれる二人の若者の青春と「日常」。そこから浮かび上がるのは、救いを求め懸命に生きようとする人びとに対するこの国の差別的な仕打ちだ。かれらの希望を奪っているのは誰か? 救えるのは誰か? 問われているのは、スクリーンを見つめる私たちだ。

■日向史有監督メッセージ
2021 年、入管法「改正」案が閣議決定され、審議の末に成立は見送りとなった。しかし、私
には、今も日本が難民を排除する方向に向かっているとしか思えない。 この原稿を書いてい
る今、ニュースでは収容中に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの続報
が伝えられている。だが、なぜ彼女が亡くならねばならなかったのかについては、未だ明ら
かにされていない。 今回の「改正」案が見送られたからといって、この映画に出演してくれ
た人たちの置かれている過酷な状況は、何ひとつ変わらない。
今回の映画公開にいたるまでには約5 年かかった。少しでも多くの人に、日本で生きるクル
ド人について知ってもらいたいと思っている。

7月10日(土)より渋谷 シアター・イメージフォーラム、大阪・第七藝術劇場にて緊急公開決定!ほか全国順次公開

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作品紹介

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