大倉忠義、成田凌がお互いのダメ男ぶりを分析!『窮鼠はチーズの夢を見る』公開記念舞台挨拶実施!

(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
9月14日(月)

9月11日(金)から全国公開され話題を呼んでいる映画『窮鼠はチーズの夢を見る』の公開記念舞台挨拶が12日、東京の神楽座で行われ、主演を務めた大倉忠義、共演の成田凌、そして監督の行定勲が登壇。イベントの様子は全国102館の劇場へカメラを繋ぎライブビューイングで約3万人の観客へ届けられた。

まずは全国の観客に向けて、大倉から「東京は雨ですが、全国はどうなんでしょう?3万人以上のみなさんが映画の上映後にご覧いただいているということで、こうしてお話できることを嬉しく思います」と挨拶すると、成田は「僕は、さっきスタッフさんから人数を聞いてドキーッとしてしまったんですけど、大倉くんは素直に受け入れていましたね。さすがだなと」と感嘆するとともに、「こうして舞台挨拶の様子を中継できるというのはいいですね」と全国の観客と繋ぎ時間を共有できることを喜んだ。メガホンを執った行定監督は「本当にお待たせしました!」と延期を経て、ようやく公開を迎えられたことを噛みしめ「こうして全国のみなさんにご覧いただいているということで、感無量です」挨拶した。

公開から好調な滑り出しをみせている本作。司会者から、絶賛の感想がSNSを中心に続々と上がっており、「今年ベスト!」といった声もあることを告げられると行定監督は、「よく恋愛映画の名手と紹介されることがあるんですが、恥ずかしかったんですよね。恋愛って誰でもできるから、恋愛映画ってジャンルはどこか軽視されがちなところがあって。いままで「恋愛映画」って言われると、恋愛だけじゃなくて社会的な要素だったり人間ドラマだったりを描いた部分もちゃんとあるんだけどな、なんて思っていたんですが、この映画はまさに“恋愛についての考察”というか、本当にとことん恋愛なんですよね。それを作れたということで、僕もこの数か月は胸を張って「恋愛映画だ」と言い続けてきたんですが、それが伝わってくれたんじゃないかと思う」と嬉しさをにじませた。

受け身の恋愛を繰り返してきた恭一と、彼に長年一途な想いを寄せる今ヶ瀬との恋愛模様を自身の恋愛と重ねる観客が多く、2人を演じての新たな発見を尋ねられると大倉は「撮影を進めていくごとに「あ、この感情経験したことあるな」という思いもあって、特別に考えなくてもいいのかなと思うようになった」と心情の変化を明かし、成田は「(恋愛において)正しいことというのはイマイチわからないけど、正しくないことをしてるっていうのはわかるもんなんだなというのが、特に今ヶ瀬の、傷つくと分かっていても立ち向かっていく姿を見ていて思いました」と自身の役どころを振り返った。

そんな今ヶ瀬が恋い焦がれる相手・恭一は劇中で「流され侍」と揶揄される役どころだが、大倉はこれに対し、「この映画を観た人は絶対、「今ヶ瀬かわいい…!」ってなるんですよね。でもダメな恭一を好きになる今ヶ瀬もダメなんだと思うんですよ。だからお互いダメなんです」と映画の中の2人を分析。「僕も恭一を演じていてクズだなと思うけど、まわりがどんなにとめてもそういう人が好きという人もいるから複雑ですよね」と一筋縄ではいかない恋愛の難しさについて語り、成田も「今ヶ瀬も悪いんですよ。勝手にわーっと行ってわーっと傷ついて怒って、何してるの?っていうね」と笑って共感した。
人当たりも良く、故に想いを寄せられることも多い恭一についての印象を尋ねられると、成田は「昨日も今日も観てくださっているのは女性が多いのかな?男性の方にこそたくさん観てほしいですね。恭一はどう見えるんだろうっていう」と同性だからこそ感じる部分を楽しんでもらいたいと語った。

一方、成田が演じた今ヶ瀬に関して、漫画よりも可愛らしくなっていると原作者の水城せとなさんから太鼓判を押されていることに対して行定監督も「確かに、成田はだんだん可愛くなっていったよね」と評価。「だんだんとそういったものが画面に出てきたから不思議だね」と話し、成田は「順番通りに撮ってもらったからですかね、無意識でしたね」と今ヶ瀬を演じていく過程で自然と可愛らしさが出てきたと語り、大倉も「最初はクールだったけど、シーンを重ねるごとにお互い人間らしくなっていったよね」と回想した。
本作で、2人の恋愛を阻むように恭一の元カノ、職場の後輩など次々に女性キャラクターが登場するが、これに関し成田は「(恭一の元カノ役の)さとうほなみさんとは僕、一言も話していないんじゃないかな。ほかにも吉田志織さんとか女性陣たくさんいらっしゃいましたけど、撮影の合間とかに大倉くんと話している姿とかを見てしまうと、なんかむかついちゃうんですよね。だから撮影中は女性陣みんなのことが嫌いでしたね」とヤキモチを焼いていたことを明かし、笑いを誘った。

これには行定監督も「また大倉が現場で成田に対して優しくないのよ」と付け加えると、大倉は「今回の役柄では、お互いの距離感がすごく大事だなと思っていたんです。ほんとは飲みに誘ったりしたかったけど、たぶんそこまで近づいてしまうのは違うんじゃないかとか思っていたら冷たくなってしまったみたいですね」と役作りのためだったと慌ててフォローした。

最後に全国の観客に向けて、大倉から「去年の2月に撮影をスタートして、ようやく待ち望んだ公開を迎えることが出来て皆さんにこうして届けられて幸せを感じています。僕の友人も昨日観てくれたんですが、あのシーンはこういう意味なの?と聞かれたりしてそれぞれの考察に触れながら、そういういろんな意見がある映画だなと思いました。友達などにぜひ紹介していただいていろいろ感想を言い合ってもらえればなと思います」と、成田から「この作品は観てくださる人をすごく信頼して作った映画だと思っていて、観てくれた方の数だけ受け取り方があると思います。昨日今日で観てくださった方も、また1か月後に観たらまた違った受け取り方をしているだろうし、1人で観るも良し、誰かと観るも良しだと思います。ぜひ話し合って、そして恋をしてください」と挨拶。行定監督からは、「本当に胸を張って「恋愛映画だ」と言える作品が出来たと思っています。この映画を観て、いろいろなきっかけにしてほしいですね。愛の形というのは人それぞれどんな選択をしてもいいのだと、映画の中の恭一がそうだったように、思いもしなかったことが自分の身に降りかかったときこそ自分はどう生きるかということを考えてその覚悟がどんな風に世の中を変えていくのかというのは、今の時代にすごく通じているものだと思います。たくさんの人にこの映画を観てもらいたいと思います」とメッセージを贈り、イベントを締めくくった。

TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中

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作品紹介

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