町山広美が語る映画音響の魅力とは!?『ようこそ映画音響の世界へ』トークショー付き試写会実施!

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8月26日(水)

世界的に活躍する映画監督たちや、『スター・ウォーズ』(77)などを手掛けたベン・ バート、『地獄の黙示録』(79)などで知られるウォルター・マーチ、『ジュラシック・パーク』(93)などに携わったゲイリー・ライドストロームといった映画音響界のレジェンドを始めとした、その道のスペシャリストたちへのインタビューと共に、“音”が映画にもたらす効果と重要性に迫っていく感動と興奮のドキュメンタリー『ようこそ映画音響の世界へ』。

8月25(火)に『ようこそ映画音響の世界へ』公開記念トーク付き試写会を開催。
多数の応募の中から抽選で選ばれた25名が参加し、ゲストには放送作家の町山広美を迎えて下北沢のカフェサンデーブランチで行われた今回のイベント。町山はまず本作について、音が映画においてどのような役割を果たしているか分かりやすく知ることが出来ると述べられ、観賞後は映画館で映画がより見たくなると熱い感想を語った。続けて普段聞こえている音にどのような工夫を施しているか今まで以上に注目するようになるため、映画館で映画を見ることがより楽しくなるとも語られた。更に自身が特に音の存在を感じた映画として、ジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』を挙げる。当時学生だった町山は、恐怖のあまり画面を直視することが出来ず、音だけを聞いていたという。ゾンビが人を食べる“ムシャムシャ”という音が特に印象的で、あまりの恐怖に最後まで作品を見ることが出来なかったとのこと。後に改めて作品を観た際はあまり怖く感じなかったとの事だが、音がもたらす効果と人の想像力のすごさを感じるエピソードだったと笑顔で語られた。更に新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ハリウッドでは4割ものスタッフが失業する事態となっているが、同じような状況が1960年代にもあったと語る町山。当時のハリウッドは逆境を跳ねのけてさらに躍進することになるが、今回も最悪の状況を乗り越えた先には何か新たな変革が起きるのではと期待の声を寄せた。また、本作に登場する音響技術者の声が全員良い声で印象的だったと笑顔で語り、説明も聞きやすかったと述べ、続けて本作をぜひ中学校の授業で流してほしいと語り、様々なプロフェッショナルの活躍が分かるお仕事映画にもなっていると評価した。トークショーの中盤、人間の五感で最初に感じるのは“音”であり、最後に感じるのも“音”であると語られた町山。自身の母親が亡くなる直前、兄であり映画評論家の町山智浩が声をかけると一時的に心臓の波形が反応したと、当時を思い出しながら語られる場面も。続けて屋久島で空間と音の関係を感じる印象的な体験をしたとも語る。バス停でバスを待っていたところ、ほうきを掃く音が聞こえすぐそこで掃かれていると感じたが、実際にはかなり遠いところで掃かれていたという。都会の喧騒がなく、静かな場所ならではの体験だったと驚きの表情で語った。終盤にはこの映画を観た後にぜひ見て欲しい作品として、フランシス・フォード・コッポラ監督の『カンバセーション…盗聴…』などを挙げられた町山。最後に試写会に集まった観客に向けて、映画館でもう一度本作を見て欲しいと熱く語りイベントは大盛況の中イベントは終了した。

8月28日(金)より 新宿シネマカリテほか全国順次公開

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作品紹介

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