“本物”にこだわった美術品たちをセットに!?『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ザ・ザ・コルダの名作ツアー特別映像解禁!

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8月20日(水)

ウェス・アンダーソン監督の最新作『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』より、セットに使用された“本物”の美術品たちを紹介する特別映像が解禁された。

解禁となったのは、ザ・ザ・コルダの邸宅のいたるところに飾られている絵画や美術品を紹介する特別映像。なんと、本作に登場するいくつもの名画は、実在の本物を各地から集めているのだ。通常、映画を撮影する際、美術館やコレクションから本物の絵を持ちだすことはない。アンダーソン監督も過去作ではオリジナルで美術品を作成したり、レプリカを使用してきているが、本作ではアンダーソン監督の“本物”にこだわりたいという強い希望で“本物”の美術品を集めることになった。アンダーソン監督は「今回は“収集家”であり“所有欲の強い”キャラクターが登場します。ザ・ザは物を所有することにこだわる人物。そして今回はアートとビジネスが入り混じった物語なので、本物を使ってみようと考えたのです」と話す。


まず登場するのは、ベルギーの画家であるルネ・マグリットの《赤道》。ベルリンの個人から借りたという。修復家や美術品専門の搬送チームなど万全の準備で設置、撮影が行われている。

さらに、フランスの印象派画家、ルノワールによる幼い甥、エドモンの肖像画《青い服の子供(エドモン・ルノワール)》も登場する。アンダーソン監督は、この絵をリーズルのベッドの上に飾りたいと要望したそうだ。実業家としてビジネス第一で動くザ・ザの内面に潜むやさしさを示唆するだけでなく、物語が進むにつれ、現実や記憶を再構築するためのカギを示すサインにもなっている。つまり、リーズルはザ・ザの“これから”を左右する重要な存在ということが表されているのだ。

ザ・ザ邸の大理石の壁に立てかけられていくつもの古典絵画や彫刻はハンブルクの美術館から借用した。壁に立てかけられた美術品からは、物が常に出入りしていることが読み取れる。ザ・ザの莫大な資産と、熱心な収集家であることが暗示されている。


圧巻の作品たちは、ザ・ザの人となりを表現するように配置された。どんな美術コレクションもそうであるように、ザ・ザの大きな願望だけでなく、不安までも映し出しているという。

“本物”の放つオーラはキャスト、スタッフ全員に刺激とエネルギーをもたらした。アンダーソン監督は当初から、そのオーラが作品に良い作用をもたらすと信じていたという。「キャストにとっても“本物”が飾られているということは意味を持つと思いました。画面の中でもセットでも、“本物”だということを感じるはずです。レプリカとはやはり全く違うオーラがある。作品の保護のために手袋をした係員が歩き回っているのも面白いと思いました」

作中、ザ・ザが息子のひとりに進言する「良い絵は買うな 本物の名作を買え」というセリフを裏付ける“本物”まみれのセット。スクリーンに映し出されるアンダーソン監督のこだわりぬいた映像美に、まるで美術館にいるかのような感覚になること間違いなし。ぜひ劇場で、リッチな芸術鑑賞をしてみてほしい。

【9月19日(金)公開】映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』フィーチャレット「ザ・ザ・コルダの”名作”ツアー」

9月19日(金)TOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイント他 全国ロードショー

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