意外すぎる制作エピソードを披露!『ぶぶ漬けどうどす』アフタートークイベントレポート到着!

©2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会
6月16日(月)

京都が好きすぎる主人公が、“京都愛”が強すぎるために大騒動を引き起こしてしまう映画『ぶぶ漬けどうどす』。6月13日(金)に、テアトル新宿にてアフタートークイベントが開催された。


上映後の会場に、主演の深川麻衣、冨永昌敬監督、企画・脚本のアサダアツシが登壇。すでに映画を鑑賞した方からは、「京都の本音と建て前って、こわ~い!」、「京都に嫁いだ嫁が理想に向かって突き進んでいく姿はホラーに見えました」と、シニカルコメディでありながら、京都の沼にハマっていく主人公の狂気じみた行動が、まるでホラーという感想も。


「まどかの狂気と暴走を感じたという感想が多かったです」と周囲の反響を明かした深川に対し、企画当初はホラーだったというアサダは、「最終的に、ホラーから京都へのラブストーリーに変貌していきました。なので『片思い世界』と同じ(笑)。京都を自分の好きな人に置き換えて観てもらえたら、まどかを許してもらえるかも」と会場の笑いを誘った。深川も「ラブストーリーというのはすごくしっくりきますね。まどかがどうしたら観客の皆さんに愛着をもってもらえるかというのは撮影前から監督と話しました」と語った。


これまで京都を舞台にした映画はたくさんありながら、「こんな京都の描かれた方は珍しい」という感想が出ていることに話が及ぶと、奈良出身のアサダは「奈良と京都の関係は複雑。観光でも、京都に行ったついでに奈良に寄るとか、奈良は二番手の位置づけ(笑)。奈良生まれだからこそ、京都の奥の部分を描きたいと思いました」と原点を語った。また、撮影前に行った京都への取材について冨永監督が振り返る場面も。


「京都の老舗店に取材に行った時に、僕らが無意識に“京都っぽさ”を期待していたことに気づきました。京都の方は、商売について尋ねても、いけずという素振りはなく、皆さん社交的で。映画を作る人間がステレオタイプに無自覚になってはいけないなと思いました。だから、映画の中でまどかが取材するシーンをつくることで、まどかがどういう人なのか、定まったと思います」と、取材で認識した「京都への偏見を期待している取材者」を映画に反映していったという。

まどかが敵対心を抱く、ヨソさんでありがながら京都で不動産業をしている上田(豊原功補)について、元々は流行りのパン屋を営んでいる設定だったそう。アサダは、「上田は元々パン屋の設定で、そこに彼に敵対心をもったまどかが火炎瓶を持って飛び込むという構想があって(笑)」と、まさかの元設定を明かすと、冨永監督は、「安西ちゃん(小野寺ずる)も、学生の設定でした」と、ここでしか聞けないエピソードが次々と語られていく。


京都が好きすぎるあまり暴走していく主人公の役作りについて、深川は苦労したこともあったようで、「まどかの原動力はどこから湧いてくるのか、というのはずっと考えていました。好きなものを神格化してしまう気持ちや、承認欲求とか、どこか心の穴があったのかなとか想像したりして。冨永監督の演出が想像の上をいく面白さだったので、現場でどんどん膨らんでいきました」

ここから、映画を見終えたばかりの観客からの質問に、3人が回答するQ&Aのコーナーに。

Q.まどかと安西2人の関係性はどのように作っていったのか
冨永監督「まどかの友達で、仕事上のパートナーである安西ちゃんが、一番まどかに影響されていく。撮影現場では、描いてくださいとお願いしていないシーンでも小野寺さんが漫画を描いていて(笑)。小野寺さんが安西ちゃんのポジションを作っていったと思います」
深川「衣装合わせの時から2人のバランス感には気を付けていて、なんとなく動きがそろってたりとか。(小野寺)ずるちゃんの人柄のおかげで、ぐっと距離が縮まりました」

Q.食事のシーンが印象に残っています。まどかが口にいっぱいものをつめて喋るシーンは演出ですか。
深川「演出です(笑)。」
冨永「女将さんとのシーンでも、まどかが上着を脱ぐシーンがあるのですが、人と会ってから上着を脱ぐのは失礼ということを後から知って。まどかはそれができる人だなと思って(笑)。」
最後に深川は、感慨深い様子で会場を見渡しながら、「本当だったら皆さん全員に感想を聞きたいくらい感謝でいっぱいです。色んな思いを込めて全員で作った作品です。なにか受け取っていただけたら」とメッセージを送った。

全国公開中

ShareSNSでシェアしよう!

作品紹介

関連するシネマNEWS

TOP